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Amazonマーケットプレイスは儲からない(少なくとも弊社は)

訳あって、新品のスマホ周辺機器(USB充電機器、等)を何百個と抱えることになり、置き場所に困っていました。

当初、ヤフオクに出品して売却していたのですが、出品や発送に手間がかかる割に売上や利益が少なく、本業(システム開発)が忙しくなると機器をほったらかしにしているのが実情でした。

そんな中、Amazonのマーケットプレイスで販売できることを知り、実践してみました。

しかし、結果から言えばほとんど売れず、期待した効果は得られませんでした。

Amazonの集客力・販売力は私を含め、誰もが認めることでしょうが、いくつかの好条件が重ならないと、効果を得るのは難しいのではないでしょうか。

私の経験から、以下の項目が当てはまるほど、マーケットプレイスでの販売は難しいと思います。

・本家Amazonと商品が被る。
・商品の販売価格が低い(1,000円未満である)。
・商品の独自性が低い(どこでも売っている)。
・販売個数が少ない。事業規模が小さい。
・売りたい商品に制限がかかっている(事前に調べるべき)。

まず、マーケットプレイスには「大口出品」者と「小口出品」者があり、大口出品登録する場合、月5,000円弱の手数料がかかります。小口出品の場合は1商品ごとに100円の手数料がかかりますが、大口出品の場合はかかりません。その他、大口出品のほうが月額手数料を支払う分、優遇されている事が多いです(詳細は省略します)。

この5,000円の手数料が、商品の販売価格が低く、数も少ない場合にそこそこ重くのしかかります。

また、Amazonの「ウリ」に「迅速発送」「2,000円以上は送料無料」がありますが、それを求めるお客に対応するため、マーケットプレイス業者も「フルフィルメント by Amazon(FBA)」というサービスを利用する事が推奨されるのですが、当然、手数料がかかります。それも決して安くありません。

さらには、販売価格を低く設定すると、強制的に「まとめ買い対象商品」にされたり、ひどい場合には、売りたい商品が販売できない事もあります。CDや食品、アダルトのようなカテゴリーだけではなく、特定の商品(新商品や売れ筋商品なのではないかと予想します)が販売登録できない事があります。

例えば、私が所有している、USBケーブルを直接コンセントに繋げるACアダプターが販売できませんでした。サポートセンターに確認しても、「現在、この商品を売りたい業者に制限をかけていて、理由は非公開、いつ解除されるかも不明。」という返答でした。

「まとめ買い対象」や「販売可能商品の制限」は結局はAmazon都合なのだろうと思いました。

また、購入者の立場になればわかることですが「ちょっとした価格差だったならば、多少高くても安心できるAmazonで買う」という事が起こっていると思います。

例えば、スマホ充電用USBケーブルを販売していたのですが、本家Amazonの価格が430円だったのに対し、弊社が420円で設定しても、全く売れませんでした。そこで、実験的に390円で設定したところ、1日で完売(全8本)しました。

しかし、390円で売れても、Amazonへ支払う手数料(FBA利用)を引くと、1本あたり11円しか残りません。先述した「大口出品者手数料」の分だけ赤字です。ましてや、今回は商品原価(仕入額)を意識しなくてもいいのですが、仮に仕入れが発生するとしたら、やるだけ損な取引です。

なぜこうなるのか?それは、先述した「儲からないパターン」の項目がいくつも当てはまるからです。

マーケットプレイスの仕組みをみると、どんなに高価なものでも、「発送手数料」や「倉庫保管手数料」は大きさによって決まります。商品が売れるたびに発生する手数料は、販売金額の何%となりますが、「小さくて高価なもの」であれば、商機はあるかもしれません。

物販とはなかなか難しいものだと、携わってみてわかりました。