この仕事をしていると、
「パソコンが不調だ。」
とか、
「変なメッセージが出る。」
といったお問い合わせをいただくのですが、その内の多くが、今まで私が見たことが無い症状・メッセージです。
それは、
「私が使うパソコンは、不調になったり、変なメッセージが出たりすることが少ない。」
という事を表していると思います。その理由は2つあると考えています。
1つは、私のパソコンの知識が平均より上にあるため、変な操作を行う事が少なく、結果として故障しにくい、というものです。
特に、ソフトウェア(OSを含む)が原因の不調は、誤操作が大きな原因の1つだと思います。
そしてもう1つは、私が使っているパソコンが「自作組立パソコン」だからというのがあるかもしれない、というものです。
15年位前は、自作パソコンの最大のメリットは「価格が安い」からでした。メーカー製のパソコンが20万円以上していた時代に、自作組立であれば同等のスペックが半額の10万円程度で手に入りました。
ところが、その後、DELLやHPに代表される格安BTOメーカーが台頭してくると、むしろ、自作組立パソコンのほうが割高になるという事態になりました。また、格安BTOメーカーに引きずられる形で、国内メーカーのパソコンの価格も徐々に下がっていきました。
しかし、価格が安い事には理由がありました。それは、パソコンの各パーツに粗悪なものを使っていたのです。
CPUだけは、製造するメーカーがごく限られるので差はありませんが、それ以外のパーツでは、信頼性を犠牲にし、価格を優先してきたのです。
信頼性がより犠牲にされたパーツを大小で表してみると、
電源 > マザーボード > メモリー > HDD > 光学ドライブ > CPU
となると思います。より左にあるパーツが信頼性を犠牲にされた事を表しています。CPUクーラーとPCケースは信頼性にそこまで影響しない、ということで今回は外しました。もちろん、重要なパーツではありますが。
CPUだけは、intelやAMDとメーカー名や型番を表示するのに、それ以外のパーツは、例えば、メモリが4GBとか、HDDが500GBとか、性能しか表示されず、メーカーは伏せられたまま。ましてや、マザーボードや電源に関しては、メーカーどころか性能すらほとんど表示されませんでした。
このような状況だったので、目立たないパーツで費用を削っていたのです。当然、安いパーツは不具合が発生する確率が上がります。
ところが、私が自作パソコンを組み立てる場合には、各パーツのメーカーや価格を確認します。自作組立でも、パーツの信頼性を落とせば、より安い価格でパーツをそろえることができるのです。
ちなみに、私が信頼しているメーカーや判断基準は、
CPU:intel
マザーボード:ASUS
メモリー:一般的に名の知れたところの、永久保証のもの
電源:一般的に名の知れたところの、80PLUS認証を受けている物。特に80PLUS bronze以上。
HDD:HGST(旧 日立グローバルストレージテクノロジーズ。現在はウェスタン・デジタルが買収)
SSD:intel
CPUクーラー:CPU付属の物は使用しない。
PCケース:安すぎるケースは、メンテナンス時の開閉に苦労するので、なるべく選択しない。
光学ドライブ:メーカーが限られているので、どこでも。
です。
なお、自作組立が可能なのは、ほぼ、デスクトップパソコンになります。ノートパソコンのキットもありますが、ごく少数です。
私もノートパソコンを持っていますが、パナソニックのLet’s noteシリーズしか使いません。こちらも、信頼性を意識してのものです。
【追記】
最近では、BTOパソコンでも高信頼性のパーツを使用するようになってきています。例えば、DELLの電源を確認したところ、80PLUS gold認証を受けたものを使用していました。
昔と比べて、格段に壊れにくくなったように思います。